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登山とマラソン、ときどきゲーム

第7回 南伊豆町100km78km66km みちくさウルトラマラソン

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2020年11月14日。

伊豆半島の南端で100kmのウルトラマラソンに参加してきました。

あえなく第一関門でのリタイアという結果でしたが、このコースの恐ろしさの片鱗は味わえた気がしています。

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 

 

昨年末はちょっと忙しくてブログは放置してしまっていました。山屋さんがブログを更新しなくなると「あ、この人、山に消えたのかな……」なんて思ったりしますが、最近は山にも思うように行けてなく、単にサボっていただけです。2021年はもう少し余裕を作れるといいのですが。

 

さて、このマラソンはあっさりとリタイアしてしまったので、記事を書くかどうか悩みましたが、自分用に記録しておくことにしました。他の方が読んでも参考にはならないと思いますが、そこはご承知おきのほどを。

 

今の実力では無理があるけど……

2020年はコロナのおかげで楽しみにしていたレースはことごとく中止になりました。

初の100kmチャレンジの舞台になるはずだった南房総の中止を皮切りに、白山白川郷、えちご・くびき野と、もしかしたら完走できるかも?という大会は全滅。

そして唯一残ったこの南伊豆は、ウルトラマラソンの中でも上位三指に入ると言われるほどの難コース。正直言ってとても完走の見込みはありません。

でもこの大会に出なければ、今年はウルトラへの参戦がゼロになってしまいます。私の中では走っていて楽しい大会はハーフとウルトラだけなので、一度も出ないのもつまらないな……と思いました。そこで、いつか本気で挑戦する日のために、まずは様子見ということで参加することにしたのです。

 

86で車中泊は無謀

今回の大会は土曜日開催。ということで前日の金曜日は有休をとってゆっくり寝て……と計画していましたが、「金曜日にならないと着手できなくて、しかも金曜日中に報告しなければならない」という理不尽な仕事が発生したために有給なのに出社。出ばなをくじかれました。

なぜかウルトラの前日はこれが良く起きるんですよね(これで三度目)。今までこのパターンで完走できたことは一度もありません。早くもダメな予感がします。

 

まあでも、現地には向かわなくては……ということで自宅からはるばる360km、5時間半かけてたどり着いたのは、南伊豆町の道の駅「下賀茂温泉 湯の花」。

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前日受付終了の18時をほんの少し過ぎての到着です。伊豆に入ってからここまでが遠かった……

さて、前日受付を逃した今、明日朝まですることはないので早々に就寝しましょう。明日の受付が3:30からと早いので今回は宿はとらず、ここで車中泊します。車中泊に指定されている場所なので、他にもランナーの車がたくさん。でも、いっぱいで停められないという事態にはならないようでした。

ということで寝ようと……ここで寝られないと明日は絶望なのでとにかく寝ようとしたのですが……やっぱり86で車中泊は無理がありますね……

一応横にはなれるんですけどとにかく狭い!これまでのフィールダーの快適車中泊とは雲泥の差です。もちろんそこは割り切って買った車なので仕方ないですが、頻繁に起きてしまってとても熟睡はできず。

だめだ、終わった…… 次の機会があれば、ちゃんと宿泊して臨もうと思います。

 

さっそくのコースロスト

受付開始時間に合わせて現地へ。駐車場は会場から順次埋まっていってどんどん遠くなるシステムですが、会場至近の駐車場に停められました。心配していた寒さについても、さすが南伊豆だけあって、すごく寒いというほどではなくて一安心。

早速会場に行って受付を終え、軽く食事をしたり着替えをしていたらあっという間に5時に。

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新型コロナ感染対策として、今回はウェーブスタートが採用されました。

先着順なので、タイムに余裕がない私としては少しでも前に出て余裕を持ちたいところですが、結局いつもの通りに最後のグループへ。それでもスタートロスは7分でしたから、8分アドバンテージを貰えたことになりますね。

では、100kmの道のりの始まりです。

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会場をぐるっと回り、ヘッドライトの光を頼りにコースを辿っていきます。

ウェーブスタートで人口密度が低いので、周囲のランナーとの距離は徐々に開いていき、やがて前方も後方も100mほど離れた状態になりました。

これ、前のランナーを見失ったらコースが分からなくなりそうだな…… なんて思いながら走ること数km。ふと前方を見ると、十字路で何名かのランナーが立ち止まっています。どうしたのか聞くと、コースはここじゃないのでは?とのこと。ありゃりゃ、予感的中。

どうも途中で曲がるべきところを曲がり損ねてしまったようです。

幸いにしてすぐにスタッフの車が来て誘導してくれましたが、ここで止まらずにそのまま進んでしまったランナーも多数。彼らは後でバスで救済されたようです。まあ暗いから無理もないですよね、来年参加される方はご注意を。 

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スタートからは登り基調で進み、第一エイドである一条竹の子村着、6:03。

みちくさ隊のウルトラなのでエイドは充実しています。以前からありがたいことではありましたが、こうしてコロナ禍の中で開催されている状況だと余計に嬉しいですね。地元ボランティアの方も、今年は参加するのに勇気が必要だったのではないでしょうか。感染のリスクは低いとはいえ絶対ゼロとは言い切れない中、こうしてサポートして下さることには感謝しかありません。

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8km地点までおよそ130m上ったら、そこからは下って街中へ。

最近はずっとキロ7分台のLSDしかしていなかったので、キロ6分とかでは走れなくなっているかも……なんて不安もありましたが、ここは下りだったこともありキロ5分~6分前半で普通に走れました。この頃はまだ体力が残っていたので、走っていて楽しいと思う余裕がありましたね。そう、この時だけは……

 

早くも轟沈

13.6kmの第二エイドである大浜を過ぎると、コースはしばらく海沿いになります。

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今年は天気にも恵まれて気分は爽快。

こりゃー、29.8kmの第一関門は余裕でしょ、57.4kmの第二関門を突破できるかどうかが勝負だね……なんてこの時は思っていたものです。

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しかし、そんなウキウキ気分は18kmのタライ岬で早くも終わってしまったのだ。

弓ヶ浜に入る前の区間で岬にある遊歩道を通るのですが、これが結構なアップダウンのある山道で、この急坂を登っている時に気づいたのです。

あ、体力切れた…… と。

何度か書いている通り私は軽度の鬱病になってしまっていて体力がなく、というか体力の最大値は変わっていないのですが、使った後の回復が著しく遅くなってしまっていて、週末の金曜日などは会社の階段でさえ息切れするほどです。いつもはそれを土日に寝まくって何とか回復しているのですが、昨日の全然寝られない車中泊では20%くらいしか充電されなかったようで……

体力を使い切ると、いきなり力が入らなくなり、息が上がるので切れたのはすぐにわかります。このトレイル区間まではそれほど追い抜かれることはなかったんですけど、ここからはただひたすら追い抜かれていくだけ……

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この時点でもう第一関門でのリタイアを決めました。とても第二関門までは行けない。

今にして思うと、ここからスタート地点までは3kmくらいなので、リタイア宣告してスタート地点に戻ってしまってもよかったのですが、この時はせめて第一関門までは行こう、と考えていました。

沿道でお仕事をされている地元の方々から応援をいただいて、感謝と申し訳なさを感じながら、歩きを織り交ぜつつ先に進みます。

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ここから第一関門まではほぼフラット。

もちろん緩い上り下りはありますが、快適に走っていける区間だと思います。エイドも多いですし、トイレも各エイドや道沿いに多数あるので不安要素は全くなし。

でも、脚が前に出ないのです。

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というわけで最後は上り坂をとぼとぼ歩いて、9:10、第一関門である29.8kmの石廊崎オーシャンパークに到着。

まだ制限時間は数分残っていましたが、スタッフの方にリタイアを申告して、今回の挑戦はあっさりと幕を閉じたのでした。

 

大会を振り返って

完走できる見込みがなく会場が遠いこともあって、エントリーするかどうか悩んでいたこの大会。でも、結果はともかく参加してみて良かったです。

何が良かったって、とても完走できるとは思えないと身にしみてわかったこと。

今日の敗因自体は寝不足による体力不足ですが、では万全だったら走りきれたのか?と言ったらこれはもう全く無理。ホント、うわさには聞いていましたが、その厳しさは実際に走ってみて良く分かりました。

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今回走ったのは距離で言ったら1/3弱。しかしこの高低図を見てもらうと分かるように、これ以降の負荷は3倍どころではありません。60km以降のアップダウンがえぐすぎ。20km手前の細かいアップダウンですらあれだけ苦戦したのに、後半にあんな坂を上る体力が残っているとはとても思えなくて……

これまでに参加してきた大会の中で、この大会だけははっきりと自分のレベルに合っていないと感じました。南房総とか白山白川郷はまだ頑張れば希望が……と思えるんですけど、この大会は今の実力では絶対無理ですね。もし2021年も出るとしたら、1年かけて真面目に準備しないといけない、そんな印象でした。

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ということで全く歯が立ちませんでしたが、自分のことはともかく、コロナ禍の中での大会開催は並々ならぬ苦労があったことと思います。スタッフ・ボランティアの皆様、貴重な機会をいただきありがとうございました。

 

余談

こうして10時には駐車場に戻ってきてしまい、現地に泊まる必要がなくなったので、そのまま栃木に帰ってしまうことにしました。なのでホテルをキャンセルしたのですが

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このホテルはGoToトラベルで5,400円で予約していました。しかしGoToは宿泊しなければ発動しないので、キャンセルするにはさらに1,800円払わないといけないというまさかの展開。なんだこれ、なんか釈然としないぞ(笑)

ということで、最後まで踏んだり蹴ったりな日になったのでした。

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ただ今回、なんだかんだ言っても30kmは走っているわけですが、それで完全にノーダメージだったのはちょっと嬉しかったですね。はてブロのランナーさんから見れば、ペース的にはジョグだから当たり前だろ、と思われるでしょうけど、以前はハーフ以上の距離を走ったら翌日は筋肉痛になるのが日常でした。ですので、いつの間にか30kmが短いと思えるようになったのは、私にとっては進歩です。2020年の練習はLSDしかやりませんでしたけど、長い距離を走る、という面では効果があったようですね。

 

さて、2021年になっても大会の状況は相変わらずです。

エントリーしていた大会のうち思川ざくらマラソンは中止が決まり、パークらんマラソンや南房総ウルトラも開催は不透明な状態に。南房総は100kmを走ってみたいと一番強く思っている大会なので開催してほしいですが、今のところ厳しそうです。

ただ、それでも一縷の望みにかけて、もし開催されたら走り切れるように、練習は続けていこうと思います。こんな状況ですが、みなさん、頑張りましょう!