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登山とマラソン、ときどきゲーム

モントレイル戸隠マウンテントレイル

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2019年6月1日。

長野・戸隠で行われた20kmのトレランに参加してきました。

最後はもうヘトヘトでしたが、雰囲気が良く楽しい大会になりました。

 

※今回も前置きが長いです。本編は「珍しいスタート時間」を。

 

こちらの記事の方がおすすめ!

さて、私の記事は「大会の紹介」が主旨ですから、細々と当日の様子を書いていく……のですが、ふと過去の大会の様子をググっていたら、こんな記事が目に留まりました。

hyakkei.me

二年前の記事ではありますが、大会の内容は変わっていませんので、この大会について知りたい方は、私のブログよりもこの記事を読んでいただくのが良いと思います(自分の存在意義を否定する発言)。わかりやすくまとまっているなと感じました。

 

中村優さんとは、彼女がまだランスマに出ていたころに、館山若潮マラソンで一度ご一緒したことがあります。周囲のランナーにインタビューしたり、エイドでは内容紹介をしたりするのを見ていて、あー、あれを続けながら42km走るのか、タレントランナーも楽じゃないな……と思いながら追い抜いたものです。

その後10kmほど走ったところで追い抜かれて、すぐに見えなくなりましたけどね(^-^; まあ向こうはウルトラランナーですから、実力の差は歴然。

ちなみに、上の記事には優さんの完走証が載っていますが、その彼女のタイムと、今回の私のタイムとでは、私の方が10分遅れでした。

 

ダメダメな春シーズン

ところで、私は3月25日の南房総ウルトラを最後に、二ヶ月ほどランの記事を書いていませんでした。毎週のように大会にエントリーしていたはずなのにおかしいですね。では、ここまでの結果はどうだったのかというと……

03/10 藍のまち羽生さわやかマラソン:完走

03/23 南房総100km・75kmみちくさウルトラマラソン:完走

04/07 第18回日立さくらロードレース:完走(ここから転落の始まり)

04/14 FunTrails Round 名栗トレイルランレースin飯能:DNS

04/21 奥武蔵もろやまトレイルラン:DNS

05/12 鹿沼さつきマラソン:完走

05/19 Takahara Adventures Festival:DNS

05/26 やさい王国昭和村河岸段丘ハーフマラソン:DNS

……とまあ、散々な結果だったのです。出場率は5割止まり。

 

このDNSの連発の原因は、右膝の腸脛靭帯炎(いわゆるランナー膝)にあります。

もともと私は体が硬くてバランスも悪いのか、腸脛靭帯炎とはかれこれ10年ほどの付き合いです。とはいえ、本気で痛くなるのはフルマラソン以上の距離を走った時だけで、それも痛いのは走っている時だけなので、これまではあまり気にしていませんでした。実際、3/23の南房総ウルトラ75kmでも痛みは出ていましたが、歩く分には平気でしたので、無事ゴールできたわけです。

ところが、問題は4/7の日立さくらRRで起きました。この日は走り始めから違和感があって、17km地点で本格的に痛くなってきたので「ハーフなのに歩くのか……」と思いながら歩きに切り替えたのですが、19km地点では歩いていても一歩踏み出すごとに頭の芯まで響く激痛になってしまいまして。周りも歩いているのに、スタッフさんから私だけ「大丈夫ですか!?」と言われていたので、よほど変な歩き方をしていたのだと思います。

これですっかり怖くなってしまって、ここで無理をしたら夏シーズンを棒に振るかも……という思いもあり、以後はレースは控えてひたすらストレッチをしていました。5/12の鹿沼さつきだけはロードで10kmだったので恐々参加してみましたが、痛いというほどではなくとも違和感があったので、5月はそれで終わりに。

その後は練習も自粛してひたすらストレッチだけを繰り返して、今日の大会に臨んでみました。もしダメそうなら関門リタイアも視野に入れての出場です。

 

珍しいスタート時間

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早く現地に着いたので、鏡池に観光に行ったりして……

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会場である戸隠スキー場の駐車場に着いたのは11時ちょうど。

11時って、他の大会ならゴールしていてもおかしくない時間。でもこの大会のスタート時間は13時です。土曜日の午後だと遠くからでも参加しやすいですし、前日にちゃんと寝られるので助かりますね。

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案内はがきと誓約書を提出してゼッケンを受け取り、スタートを待ちます。

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ちょっと雲が出てきましたが、天気は上々。

気温は16℃で風は冷たいものの、日差しは強め。ここと、コース最高点の瑪瑙山(めのうやま:1,748m)の標高差440mを考えると服装は悩みどころでしたけど、半袖Tシャツでいくことにしました。上で風に吹かれたらレインウェアを着ることにしましょう。 

 

 

急登!瑪瑙山

ブリーフィングが少し長引いたので、2分遅れの13:02にレーススタート。

この大会はロング(20km)、ショート(10km)、キッズ(2km)の部があり、私はロングに出場。実力値的にショートにすべきなのに、なぜかエントリーするときは自信満々なんですよね……

さて、そのロングのコースマップは次の通りです。(私のGPS記録で、数字はkm)

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スタートしたらゲレンデを少し回って、東に向かいます。そこから右折して瑪瑙山に登り、ぐるっと回ってふたたびスタート地点へ。そこからまた東に向かって今度は左折し、イースタンキャンプ場を通ってスタート地点に戻る、というコースになっています。

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標高差はこんな感じ。ブリーフィングでは最初の瑪瑙山への登りがハードなので、そこで体力を使いすぎないように、とのこと。ゆっくりいきましょう。

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これは1kmあたりの写真。このように道幅が広いところはばらけていますが、ところどころにあるシングルトラックでは渋滞が発生します。上位を狙う方はここまでにできるだけリードしておくのがいいでしょうね。

 

この区間、3kmまでは小刻みなアップダウンが続きまして、急登はなく、ん?思ったほどじゃないかな、と思いました。しかし

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3.2kmから100mの直登に(><)

ここはなかなかにきつかったです。ちょっとはジグザクに道作ろうよwと思うくらいドまっすぐな登り。息を切らせて立ち止まってしまうランナーさんもちらほら。

トップランナーはこんなところも走れるのかな……?

 

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その急登を登りきるとゲレンデ上部に出ます。振り返ると雲の合間から残雪の北アルプスが。

この頃、近くにいた3度目の出場になるランナーさん二人組が、これできつい登りは終わりだな、と話していました。なので自分もすっかり油断して、はい終わり!と思いながらゲレンデを登り切ったら……

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そこに見えたのはさらに高いゲレンデ。

おい、なんだよ!(笑) ちゃんと覚えてて!(^-^;

この眺めはなかなかに鮮烈で、周りからも悲鳴が上がっていました。なんでみんな貴重な休みにわざわざ好き好んでこんな苦行をしてるんですかね。マゾなの?

とはいえ、登るしかありません。背後の雄大な眺めに励まされながら歩き続けて……

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14:18、瑪瑙山・山頂に到着。

ここでスタートからおよそ5km。14km地点の関門の閉鎖時間が16:15なので、あまり余裕はないですね。大丈夫かな?

 

これぞトレラン!

ただ、ここからはありがたいことに下り基調に。

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まずは天国のような稜線の道をサッと駆け抜けて……

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「メノウコース」ゲレンデを一気に駆け下りていきます。

ヒャッハー! 下り”だけ”は得意な私、順調にスピードを上げていきます(単に制御不能になってるだけとも)。ロードと違って地面が柔らかいのでダメージが少なく、ジャンプしたりとか多少の無茶が許されるのが楽しいです。

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ゲレンデを下りきったところには本日初のエイドが。

飲み物は水、スポドリ、コーラ、食べ物はバナナ、チップスター、塩飴などがありました。20kmといえど時間的には長丁場になりそうなので、しっかり補給していきましょう。

 

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エイドを過ぎるとゲレンデに別れを告げ、林の中をジグザクに降りていきます。ここも走れる傾斜。木漏れ日の射す林の中を駆け抜けていく感覚は爽快の一言。これぞトレランの醍醐味ですね!

 

沢の流れに癒されて

山頂から440m駆け下りると分岐があり、ロングの部は再び登りへ。

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7.5km地点から9km地点まで、140mの登り。もう周りはみんな歩きになっています。ただ傾斜は緩やかですし、道の脇を沢が流れているのもあって、きつい印象はありませんでした。

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沢沿いにはニリンソウがそこかしこに。癒されますね(^-^)

 

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そして、その登りを終えればあとはパラダイスですよ!

まずは飯綱山西登山道を駆け下ります。ここは道幅も広いし傾斜も適度で、ここを走らずしてどこを走るのか、と言いたくなるようなまさにトレラン向きの道。足元に大きな障害物もないので安心して飛ばしていけます。

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下り終えると少し登りになって先ほどの分岐に戻り、そこからはゲレンデに向かって沢沿いの小道をゆっくり下っていきます。わーい、楽しすぎる!

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しかし、どんなことにも終わりは来るもので、やがてゲレンデに出ると本気の登りになってしまい、私のパラダイスは終了しました(^-^;

というか、脚力はまだまだ残っているんですけど、体力が突然尽きました。この「体力がいきなり尽きる」という現象は今の病気になってからたまに発生するようになって、これが大会の途中で起きると本当に困るんですよね、予期できないので……

車で例えるなら、さっきまでガソリンが燃料メーターでは半分くらい残っていることになっていたのに、エンプティランプもつかずに急にガス欠になる、というような症状。病気の話は長くなるので今回は書きませんが、こうなると走るのはほとんど無理になってしまいます。なのでここからは歩き主体になってしまいました。

 

主催者への信頼

スタート/ゴール地点でもある14km関門に戻ってきたのは15:55。閉鎖20分前ということで、関門アウトは免れました。腸脛靭帯炎も大丈夫そうで一安心。

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10km、20kmのランナーさんが続々とゴールしていくのを横目で見ながら、ふたたび林道に入っていきます。

※余談ですが、中央に写っているサラリーマンもロングの部のランナーさんです。今は持参したお弁当を食べる”もぐもぐタイム”だとか(笑) この場では追い抜きましたが、あとで爽やかな挨拶とともに抜き返されました。ちゃんと走れる仮装ランナーはかっこいいですよね。

 

一周目のあの混雑が嘘のように静かな林道を行き、今度は分岐を左へ。

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「キャンプ場までずっと下りですよ、走れますよ!」なんてスタッフさんの声援を背にして先へ。実際に走りやすい下りなので走らないのはもったいなく、でも体力はほとんどゼロなので、ちょっと走っては歩き、また走って……と進んでいきました。そうして下って、下って……

 

……えっ、下りすぎじゃない?

 

スタート/ゴール地点から先ほどの分岐まではほとんど登っていないので、これだけ下るということは、つまり最後はその分だけ登り返すということです。イースタンキャンプ場に着いて高度計を見ると標高は1,180m。ゴールの標高は1,300mですから、最後の2.5kmは120mの登りということに。たかだか120mと思われるでしょうけど、今の自分には高いハードルです。

なので、しんどいな~と思いながら下を向いてトボトボと歩いていました。

すると、50m先から運営の方に「楽しんでますか~!?」なんて声をかけられました。なので「楽しんでますよー!」と返しながら走っていったら、「走れるじゃないですか!さっきの(疲れていたように見せてたの)は"フリ"ですよね?(笑)」と。

いや、フリじゃないんですよ!(笑) この体力ゼロパターンに陥った時は脚は残っているので、応援を受けて走る気になった時は走れます。そしてその走りはいかにも疲れてないように見えるみたいで、どの大会でも、余裕じゃないですか!とか言ってもらえるんですけど、走れるのはせいぜい100mとかなんです(^-^;

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まあそれはともかくとして、この大会、スタッフの方々がとてもフレンドリーに接してくれます。

主催は「北信濃トレイルフリークス」さん。私は去年、この北信濃トレイルフリークスさんが開催した

k-taro.hatenablog.com

に参加させていただいて、スタッフさんの印象がとてもよかったので今回のエントリーに至ったわけですが、やはり来て正解でした。みんなで今日の大会を目いっぱい楽しみましょう、そんな雰囲気を随所で感じました。ありがたいことです。

 

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そんなスタッフの方々の支えもあり、そしてこの最後の区間は思ったほど急登でもなかったこともあって、なんとか無事に登り終えて……

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17時ちょっとすぎにゴール! タイムは4時間を超えてしまい、順位もほとんどビリの方ではありましたが、今の体調ではゴールできただけでも儲けものです。

この後は戻ってくるランナーに声援を送りつつ会場を離れ、「むれ温泉天狗の館」でじっくり温まってから帰路につきました。

 

大会を振り返って

まずはスタッフの皆様、いつもいい大会をありがとうございます。皆様のサポートのおかげで厳しい局面も楽しく乗り切れて本当に感謝です。今年は7月の「志賀高原マウンテントレイル」でもお世話になりますので、その際もよろしくお願いいたします。

 

そして、単純にトレランという面で見てこの大会はどうか、と考えた場合も、やはり満点といっていいんじゃないかと思います。これまでに出場してきたトレランの大会の中で、今回のコースがもっとも走りやすかったです。自分自身は体力がなくなったので歩きが多かったですが、全般的に緩やかな上り下りで構成されていて、危ないところもなく、地面も基本的に石ゴロではなく土なので、瑪瑙山への登りの一部区間を除けば、ほぼ全区間快適に飛ばせそうで、よく考えられているなという印象でした。

ブリーフィングで「今回がトレラン初参加の人~?」と問われたときにずいぶん手が上がっていましたが、トレラン初心者には本当におすすめの大会です。10kmと20kmで見える景色はそれほど変わらないので、まずは10kmから挑戦してみてはいかがでしょうか。晴れていれば戸隠連峰から北アルプスまで一望できる雄大な景色、新緑の自然林、そして清らかな沢の流れやそこに咲く花々を見ながら走れるこの大会、きっとトレランの楽しさを満喫できることでしょう。

 

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帰り道、温泉の近くから黒姫山、そして妙高山を眺めて。

やっぱり信州はいいですね。次は来週の「SKYLINE TRAIL SUGADAIRA」で、また!