2019年6月9日。
長野で開催されたトレイルランニング大会、スカイライントレイル菅平のスカイハーフ(約22.6km)に参加してきました。
天候は良くなかったものの、スカイラインの名にふさわしい展望を楽しめました。
天気はもつかな?
つい先日、関東甲信越は梅雨入りしました。それからというもの、週間天気予報は曇り雨雨曇り雨曇り曇り……と、アウトドア派にとっては辛い状況に。
この日の菅平の天気予報も曇りのち雨でした。雨だったら嫌だなぁ……なんて思いながら現地へ。
7:05、会場の「菅平高原国際リゾートセンター」に到着。一番近くの駐車場に停められてラッキーでした。受付してゼッケンを受け取ったら、スタート時間まで車の中でのんびり。
そうこうしている間に空模様はだんだん怪しくなってきました。いつ一雨来てもおかしくなさそう。気温は14℃でしたし、今日は最高標高が2,000mを超えるので、Tシャツの下にベースレイヤーを着ていくことにしましょう。
スタート5分前の会場。なんだかゆるふわな空気ですね。
それもそのはず、この大会の一番人気は6時スタートのスカイマラソン(50km:この部門のみITRAポイント付与)でして、我らがスカイハーフは参加者231名と大規模ではありません。トレラン初参加の方も多いのか、列形成でギスギスすることもなく、9時、和やかな雰囲気の中、スタートが切られました。
「14時から雨の予報なので、皆さん、5時間で帰ってきましょう!」
スタート前の挨拶で聞いたこの言葉を思い出しながら走り始めます。トレイル22kmを5時間か……いけるかな?
開放感が最高!
今回のコースマップはこちら。
菅平のスキー場や牧場を駆け巡り、中盤はコース最高点の小根子岳(2,127m)までの登山になります。
スタート地点の標高がおおよそ1,270mなので、単純標高差でも850m。累積標高差は1,291mと、自分にはなかなかハードなレースになりそうですね。頑張らなくては。
スタートしたら右手に折れ、すぐにゲレンデに入ります。
なんか毎週ゲレンデ登ってんなw
この登りで実力値通りに順位が分かれるので、スタート列に神経を使う必要がないんですね。トップランナーはすでに遥か彼方ですが、私は今日も登りでは無理をせずに歩いていきます。
ちなみにいつもの通り今日も最後方スタートでしたが、走り出しでペースが上がらず、ゲレンデに入った時は本当に最後尾(=ビリ)でした。なのでちょっと焦ってましたが、そこは山屋のはしくれ、この登りでだいぶ順位を上げられました。ふぅ、ドキドキした……(^-^;
160mほど登った後、100m駆け下りると2.5kmのA2エイドへ到着。
私はエイドにあまり立ち寄らないので記憶が不明確ですみませんが、飲み物は水とコーラとスポドリ、食べ物はバナナ、お饅頭、ブドウ、トマト、キュウリ、チョコ、etc.と、かなり充実していたように思います。私はゴールタイムが4時間を超えそうなので行動食を持ってきましたけど、これだけ充実していれば要らないかもしれませんね。
エイドからはふたたびゲレンデを登っていきます。
シュナイダー記念碑を回って、小根子岳方向へ。
いや~、それにしても素晴らしい開放感ですね! ゲレンデだから当たり前と言われればそれまでですけど、コースが広いのと標高の高さが相まって視界が広く、気分良く進んでいけます。
空に向かって走り、空を見ながら駆け下りる。これまで参加してきたトレラン大会の中でも屈指の爽快感でした。あ~、これで晴れていたらもう最高だろうなー!
おっと、雨が
ゲレンデを降りると、いったん樹林帯に入ります。
スカイハーフの部で樹林帯はこの5.4km~6.6kmの区間のみです。せっかくなのでフィトンチッドを全身に浴びながらのんびり行きましょう。
……実際のところ、この区間は200mの登りで、心拍数を計ってみたら160を超えていました。見た目は余裕そうでも実は必死(^-^;
坂を上りきると、いったん菅平牧場に寄り道します。ここはこのコース内で唯一アップダウンの少ない平坦な道。元気に走っていきましょう。
この先のエイドでスカイハーフは折り返しなのと、コースを共有しているスカイマラソンの上位組が早くもこの区間まで進出してきたので、すれ違いが多くにぎやかな雰囲気に。「ナイスラン!」「ガンバです!」なんてランナー同士で声を掛け合うのも、参加者が多すぎないトレランならではの光景ですね。
10:27、約8.2km地点にあるA3エイドに到着。
ブドウやお饅頭をいただいて英気を養いました。なお、トイレは各エイドにしかありません。この次のエイドは20km地点のA2(復路)と遠いので、気になる方はここで寄っていくのがいいでしょう。
エイドで折り返して戻る途中、小雨ながらもついに雨が降り出しました。沿道で応援してくれていたスタッフさんから「本降りになる前に降りてきちゃいましょう!」とエールをいただきます。確かに上で雨に打たれるのは嫌ですね。ここは山屋のプライドを見せなくては!
いよいよ登山
分岐まで戻ると、ついに今日最大の難関である小根子岳への登りが始まります。
ここからの標高差は約500m。その500mをほぼ直線的に登りきるハードな区間です。
道は完全に登山道。斜度も厳しいですし浮石も多く、ロードレースから参加された方はちょっと苦戦しそうな道です。
ここではさすがにスカイマラソンの上位組も走れないようで(超上位組は走れるのかも?)、周囲に走っている人はいませんでした。ただ、それでもスカイマラソン組はさすがに早く、数名の方に追い抜かれます。下りや平坦地はともかく登りで負けるのはちょっと悔しいですが、実力差はいかんともしがたく。
さすがに500mの登りは厳しいもので、周囲の方々もただ息を切らせながら黙々と登ることしかできないようです。疲れて立ち止まってしまう人もしばしば。
そんな中、ラッキーだったのは雨が止んでくれたこと。東方面には雲の切れ間から青空も。不安定な空ではありましたが、結局、ゴールするまで雨に打たれることはありませんでした。
そうして登ることちょうど一時間。スタッフの方が指さす先を見ると、人で賑わうピークがそこにありました。
11:42、本日の最高点、小根子岳に到着です(^-^)
テクニカルな下り
根子岳が立ちはだかる南東方面を除き、ほぼ全方向が見渡せる小根子岳の山頂。絶好の撮影ポイントなのと、下りに取り掛かる前の準備もあってか、写真を撮ったり補給食を食べたりなど、みなさんのんびりと過ごされていました。私もパノラマを一枚。
こうしたいい意味での緩さもトレランの良さですよね。ロードだと1秒でもタイムを縮めたいという思いが出てしまってどうしても余裕がなくなっていきますが、トレランは(上位陣はともかく)レースの行程自体を楽しもうという雰囲気があって、その面ではロードの大会より好きかも。
さて、展望を楽しんだら下りに入りましょう。
その下り区間、最初は北に向かって稜線沿いにクマザサの中を進みます。
ここはもう最高でしたね、見てくださいこの天空の道を! この爽快感を伝えたくて、いいアングルを探しに戻ったりしたほど。こんなところを走れる贅沢ってあっていいの!?と言いたくなるほどの素晴らしい道でした。
その区間を過ぎると、本格的な下りが始まります。山頂からはおよそ800mの一方的な下り。ここをうまく走れるかどうかは順位に大きく影響することでしょう。
その下り区間ですが、上部はやはり登山道でして、浮石あり溝あり泥沼ありと、常に二歩三歩先の足の置き場を考えていないとうまく走ることはできない道です。
傾斜も急ですしね。こうした道はテンポよく走れれば本当に楽しく、これぞトレランの醍醐味と思えるのですが、山道に慣れていなかったり、疲れていてうまく走れなかったりすると、ちょっと辛く感じるかもしれません。転倒されている方も何度か見かけました。
ということで自分もいい加減疲れてきて歩きたいのですが、傾斜がずっと下りなので歩くわけにもいかず。ゴルフ場と牧場の境界の岩ごろの道も一応走り……
林道も走り……
A2エイドでコーラをもらって、よし、もうこうなったら最後まで走りきってやるか!とやけくそ気味に思っていたら
最後に100mの登りが待っていました(^-^; そうだよね、行きはここを駆け下りたもんね。やったー歩けるぜー……
ここはもうみんな余裕なし。ただゼエゼエハアハアして、立ち止まった人を地味に追い抜いたりしながらゆっくり登りました。
そうして登り切ったらもうあとは本当に下るだけ。ゲレンデの下りは急なので脚に来ましたが、ここは根性の見せ所だろ!と最後まで何とか走りきって…
4時間13分でゴール(^-^) 5時間以内で戻ってこられました。
順位は相変わらず下から数えたほうが早いですけど、何というか今日はやりきれた感があります。腸脛靭帯炎は強く出なかったですし、体力も切れず、自分の力は出し切ったな……そんな満足感が久々に感じられて、すがすがしい気持ちで会場を後にすることができたのでした。
大会を振り返って
まずはスタッフの皆様、楽しい大会をありがとうございました。トレイルの大会の運営は何かと苦労もあるかと思います。寒い中、エイドや道中で親切に対応いただき感謝いたします。
さて、この大会の良さを一言で言うなら、圧倒的な開放感!ですね。
あくまでハーフの感想ですが、コースに樹林帯が少なく、"頭上が開けている率”は9割超えているんじゃないかと思うほど、常に目の前には大空がありました。こんなに展望の良かったトレランは初めてです。晴れていたらもうその眺めだけで満足しそう。特に日ごろ都会で過ごされている方には、その開放感を味わうためにぜひ一度参加してみていただきたいなと思いました。
なお、コースは完全に登山です。私は先週
に参加してきましたが、戸隠はロード寄りのトレラン、一方菅平は登山寄りのトレランだと感じました。距離も累積標高差もほぼ同じですが、内容は見事に対照的だったなと。
ですので、普段ロードを走っていて、トレランにも出てみたいな……と思う方には戸隠の方をお勧めします。向こうは登山のテクニックは必要ないので、最低限の山のマナー(登山者を優先すること、挨拶すること、むやみにコース外に出ないこと)さえ守っていれば、あとはアップダウンが厳しいのと引き換えに大自然の良さを満喫できます。
逆に、普段は登山をしているけど、トレランにも興味が出てきたな……という方には本大会がお勧めです。この大会は「小根子岳へ登山するついでにちょっとゲレンデを走っちゃいません?」という印象でして、関門も緩いので、日ごろ登山されていれば無理に走らなくても制限時間内にゴールできます。なんかここは走れそうだな……と思ったところだけ走ればいいので気楽ですよ。
さて、次は一週間開けて、6/22のROCKIN'BEAR 黒姫トレイルランニングレースに参加予定です。実は今また体調が悪くなってまして、なんとか治して出てみたいところですが、果たしてどうか……