2018年10月8日。
秋のマラソンシーズン第2戦は、茨城県笠間市で開催された「第5回 かさまトレイルラン大会」に参加。
24kmのロングの部と17kmのショートの部があり、ロングへの出場です。ロングとは言え距離は長くないので大丈夫かな、なんて思っていましたが、いやはや、なかなか走りごたえのあるコースだったのでした......
悪天続きだった今年の秋。
週末は必ず雨・雨・雨で、本来はこの大会の前に走るはずだった(そしてとても楽しみだった)アサマ2000スカイレースも台風24号の影響で中止に。この週も台風25号が来てどうなることかと思いましたが、幸い、この日は曇りのまま持ちこたえてくれました。
さて、今回の大会ですが、笠間市の「あたご天狗の森」を会場として、その周囲の山々を舞台に行われます。
会場には車で直接乗り入れられないので、まずは指定された駐車場へ。
「市民センターいわま」着、7:30。
ここからはシャトルバスで会場入りします。行きも帰りもシャトルバスは適度な間隔で運行されており、待たされなかったのが好印象でした。
あたご天狗の森の駐車場でバスを降り、3分ほど歩いて会場へ。
高台の公園で独特な雰囲気を漂わせる会場ですが、荷物預け、更衣室、トイレなど大会に必要な設備は一通り揃えられています。
特筆すべきは、ロッジを更衣室として使用するため、走り終えた後にロッジのシャワーが使用できることですね。もちろん各棟に1つずつですから時間帯によっては混むでしょうけど、走り終えた後すぐに汗を流せるのはありがたいです。
太平洋を望みながら、皆さん思い思いにスタートの時間を待ちます。
ちなみに私はこんな時もデレステ。いや、今はイベント期間中なのでこっちも走らないといけないんですよ。空き時間に少しでも稼いでおかなければ!
そうこうしているうちに、ロングの部の招集がかかりました。9:30、レース開始。
激しいアップダウン
まずは5km先にある難台山を目指して走っていきます。
この、あたご天狗の森から難台山を経て道祖神峠に至るルートは、「吾国愛宕ハイキングコース」の一部。
笠間市のホームページに「コースはアップダウンがあり健脚者向きです。」と書かれている通り、細かいアップダウンが連続します。GPSログで見るとこんな感じ。
先々週の上州武尊山スカイビュートレイルはアップはずっとアップ、ダウンはずっとダウン、というようにメリハリがあったので戸惑いましたが、まあ考えてみれば低山ハイキングコースはどこもこうしてアップダウンが続きますよね。
傾斜も全体的に厳しく、素の走力が試されるコースという印象でした。ダウンからアップに切り替わった時に、勢いを殺さずに走って登り続けられるかどうかが重要ですね。
自分は登りは歩いていましたが……
30分ちょっとで、3.5km地点、最初のエイドである団子石峠に到着。
エイドの写真は(人が映り込みすぎるので)撮りにくく、今回もここの写真しかなくてすみませんが、この大会、エイドはとても充実しています。
ロングのエイドは計5ヶ所。これはまずトレランとしてはとても多いですし、飲み物は水・スポドリ・コーラ、食べ物もバナナ、梨、芋ようかん、チョコなど、十分すぎるラインナップでした。ありがたいことです。
団子石峠を越えると、いよいよコース最高峰の難台山(553m)に向けての厳しい登りが始まります。
今回は低山コースですが、山の厳しさは標高とは関係ないので、前回の武尊山(の32kmコース)と比べると明らかにこちらの方が傾斜が急で、登りを走るのは容易ではありません。
私は前回も今回も登りは歩いていますけど、前回の登りは参加者の7割は走れるだろうなという印象で、一方今回は3割走れるかどうかじゃないかな、と感じました。この頃になると30分遅れでスタートしたショートの部の先頭集団に追い抜かれ始めたのですが、皆さん呼吸が尋常でなく激しくて、よくその運動強度でずっと走り続けられるよな……と、根性なしの自分としてはただ感心するばかりでした。
1時間ちょっとで5km地点の難台山を越えると、そこからはしばらく下り基調に。
といっても相変わらずアップダウンは続きますが、平坦だったり下りの区間が多くなってきて、走れる時間も長くなってきます。
この大会、ほんわかした雰囲気とは裏腹に、ロングの部・24kmの制限時間は5時間で、実はそれなりに真面目に取り組まないとゴールできない大会です。走れるところは走って、少しでも時間を稼いでおかないと!
瞬時の判断を求められるのが楽しくて
汗だくになりながら10kmを過ぎると、ようやくアップダウンが終わり、市街地までへの3kmの下りに入ります。
この下りは楽しかった!
急すぎない適度な下りをノンストップで駆け抜けていきます。地面は土なので膝のダメージも最小限。たまにある倒木を一気に飛び越えるか、それとも一度倒木の上に乗ってから飛ぶかを直前で判断しながら越えていったりすると、いかにも「走っている」感があって楽しいんですよね~! なんか、動物としての本能に目覚める感じで。
ロードは一歩一歩をどこに置くかなんて意識はしないので、こうして常に瞬間の判断を求められ、そしてそれを次々とクリアしていく感覚こそ、トレランの醍醐味な気がします。
下りきると14kmのエイドがあり、その後、一度ロードに出てから
畦道をしばらくまっすぐ進みます。
最近のトレラン(経ヶ岳や武尊山)はスタッフの中心がトレラン愛好家のような印象で、若手が多かったのですが、この大会は地元の住民の方々も多数参加されていまして、エイドでも拍手で迎えてくれたり、例えばこの畦道も横道と交差するところには必ず誘導の方がいて、声をかけてくれていました。全体的に雰囲気はとても良かったです。こうして応援してもらえるのはありがたいですね(^-^)
ただ無念なのは私はこの時点で既に疲れていまして(^-^;
なのでこの辺りからウォーカーと化していました。この畦道は山に向かっていくため微妙に上りで、どうにも走れず。山中の下りで追い抜いた方々に抜き返されてしまいました。
でも、畦道を歩いているうちはまだ良かったんです。
とにかく辛かったのがその後、団子石峠への標高差300m強の登り返し。ここは今思い起こしてもきつかった! 九十九折れでそれなりの傾斜の林道を黙々と登っていくと、一旦はひいていた汗がまた噴き出してきて……
スタートから4時間以上が経過したので肉体的にも精神的にもエネルギーがなく、せめて何か食べたいのですが、もう口の中はパサパサで、持参しているチョコバーなどは食べる気がしません。
そこで朦朧としながら、ふと梨が食べたいな……と思いました。すると、たどり着いた団子石峠のエイドに梨が山ほどあるじゃないですか!
上でエイドの食べ物について書いていますが、実はこれは今調べて書いているのであって、現地ではエイドの食べ物はろくに見ていないので、この時点まではエイドに梨があるとは知りませんでした。
なので余計に嬉しかったですね、さすが茨城! この梨は本当にありがたかったです。これで気分がだいぶ持ち直しまして、さてゴールするか!という気力が湧いてきました。
後半はだいぶ歩いてしまったので制限時間が不安でしたが、気づけばゴールはすぐそこに(写真中央の山腹にある施設がそれ)。
こうして、どうにか時間内にゴールすることができました。
ご覧のように一人一人ゴールテープを切ってのゴール。こうした気遣いも嬉しいものですよね。
会場で振舞われていた柿・梨をいただいて、着替えたらシャトルバスへ。シャトルバスの案内をされていたスタッフさんの深々としたお辞儀に見送られながら、会場を後にしました。
大会を振り返って
実力値からすればショートに参加するべきなのに、なぜか調子に乗ってロングにエントリーした今回の大会。アップダウンは予想以上に激しく、24kmといってもフルマラソン並みに疲れましたが、地元の方々の熱のこもった応援とエイドの梨に励まされてなんとかゴールまでたどり着くことができました。
コースは林道やロードとのミックスですが、土のトレイルの区間が長く、足に優しいコースだと感じました。山中はずっと林の中ですけど適度に見通しもききますし、まだ緑が残っている時期なので、晴れていたら森林浴を兼ねた爽やかなトレランを楽しめそうです。
また、道中やエイドでは地元の方々をはじめスタッフがみな笑顔や拍手でランナーを迎えてくれて、とても雰囲気の温かい大会でした。ランネットの評価で、また来年も参加します!という声が多いのも納得です。
コースは技術的な難易度が高くないので、ビギナーからベテランまで、幅広い層が楽しめる大会だと思います。運営も改善に改善を重ねられたようで今やノンストレスですから、興味の湧いた方はぜひ参加してみてください。きっと楽しい一日が過ごせると思いますよ。