これまでにお世話になったテント場を紹介していきます。
※料金は相次ぐ値上げに更新が追い付かないため、記載を取りやめました。
- 北アルプス
- 白馬大池山荘 テント場 (2010/07/26)
- 白馬岳頂上宿舎 テント場 (2013/08/18)
- 天狗山荘 テント場 (2013/08/17)
- 祖母谷温泉 テント場 (2016/07/22)
- 唐松岳頂上山荘 テント場 (2012/07/25)
- 五竜山荘 テント場 (2016/07/19)
- 冷池山荘 テント場 (2011/10/08)
- 剱沢 テント場 (2012/09/22)
- 雷鳥沢 テント場 (2013/08/10)
- 太郎平小屋(薬師峠) テント場 (2012/07/23)
- 雲ノ平 テント場 (2014/07/22)
- 烏帽子小屋 テント場 (2013/07/21)
- 大天荘 テント場 (2014/09/27)
- 双六小屋 テント場 (2011/08/09)
- 槍ヶ岳山荘 テント場 (2015/07/29)
- 涸沢 テント場 (2012/08/16)
- 横尾 テント場 (2013/05/04)
- 徳沢 テント場 (2016/07/21)
- 小梨平 テント場 (2015/07/27)
- 蝶ヶ岳ヒュッテ テント場 (2016/08/14)
- 槍平小屋 テント場 (2011/09/24)
- わさび平小屋 テント場 (2011/08/08)
- 笠ヶ岳山荘 テント場 (2013/08/03)
- 西穂山荘 テント場 (2015/07/26)
- 南アルプス
北アルプス
白馬大池山荘 テント場 (2010/07/26)
初めてテント泊したのがこのテント場でした。
栂池からコースタイム3時間と近い上に、地面は極めて平坦ですし、ペグも打ち込みやすい、と、テント泊デビューにはもってこいのテント場だと思います。
また、周囲は時期によってはお花畑になりまして、その中を小川が流れている様は、天気がいい日であれば心安らぐこと請け合いです。癒されるテント場ですね。
なお、鞍部なので風はそこそこ吹くことがあります。また、小屋前はトイレ・水場に近い反面、小屋の消灯時間まで(?)は発電機が稼働しているため、人によっては騒音が気になるかも知れませんね。(自分は全然気になりませんでしたが)
湖畔寄りに設営すれば騒音からは逃れられますが、そちらは地面が斜めなのが悩ましいところ。
白馬岳頂上宿舎 テント場 (2013/08/18)
白馬岳山頂から南西に下ること25分、村営頂上宿舎に隣接するテント場。北アの中でも人気のあるテント場の一つで、規模も100張と大きめです。
このテント場はよく「鞍部にある」と表現されますが、尾根にあるわけではないので、鞍部というより"山荘の裏の窪地"と表現した方がしっくりくる印象です。窪地なので展望はありません。ただ、1分も登れば稜線に出られますので、それはたいした問題ではないかも。
敷地はおおむね平坦で、30張程度なら確実に、50張程度でもほぼ平らな場所に張れるでしょう。それ以上だと少々斜めになってくるようです。
地面は石混じりの土で、ペグは半分刺さるかどうかです。風がかなり強いことでも有名なところなので、岩を使って確実に設営しましょう。
天狗山荘 テント場 (2013/08/17)
白馬三山の南、天狗山荘の脇にあるテント場。
場所柄、不帰ノ嶮を越えてきた人、またはこれから越える人が大半なので、他のテント場よりもベテランさんの比率が高いように感じました。
テント場は稜線の東側に設けられていて、白馬鑓ヶ岳や白馬村方面の展望が広がっています。テントにいながらにしてご来光が拝めるというのは至福の体験ですね。
ただこのテント場、見た目に反して張れる数は少なめです。
斜面の上に石も多く、無理なく張れるのは15張目くらいまででしょうか。30張になるころにはもう(整地されていないところに)無理矢理張ることになっていました。不帰を越えてくる人は余裕でしょうけど、白馬方面から来る時は早めに到着するのが無難です。
地面は石混じりの土。ペグだけで張るのは困難なので、岩をうまく使いましょう
祖母谷温泉 テント場 (2016/07/22)
黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅から徒歩50分のところにある祖母谷温泉、その小屋に併設されているテント場。唐松から下ってきたときや、下ノ廊下を歩いてきてまだ日程に余裕がある場合に、ここを利用させてもらうことが多いかと思います。
ここのメリットは何と言っても温泉! 別途入浴料は必要ですが、テント場利用者は24時間制限なしで入浴することができます(2017年時点)。沢の流れを聞きながら紅葉を眺めたり、あるいは星空を眺めながら入る温泉は最高の一言。
サイトはご覧の通り平らですからよほど混まない限り設営には何の問題もありません。ただ大きな石はそんなに数がないので、非自立型のテントの方はペグを持ってくるのが無難です。
それと、地熱が高いので、真夏はもしかすると少し暑いかも。
唐松岳頂上山荘 テント場 (2012/07/25)
唐松岳山頂から20分、唐松岳頂上山荘の下にあるテント場。2枚目の画像でお分かりの通り、稜線の西側斜面を切り開いて作られたテント場です。
サイトは斜面に点在するため、下の方に張る羽目になると、山荘まで登り返すのは一苦労ですが、これはむしろ、よくぞここにテント場を設けてくれた、というくらいの気持ちで利用させてもらうのがいいかと思います。ここにテント場がないと、後立山のテン泊縦走はかなり大変になりますしね。
地面は小石交じりの砂地なので設営は容易。ただし、西側斜面という立地のため、風は吹き上げ気味にかなり強く吹きます。飛ばされないように石をうまく利用しましょう。また、条件のいいサイトは少ないので、特に大きなテントをお持ちの方は早めの到着が無難です。
水は、時期によってはテント場下の雪渓から汲めるようですが(要煮沸)、基本的には小屋で購入することになります。なお、トイレも小屋の内トイレを借りることになります。(テン場料はトイレ代込み) 内トイレだけあってとても綺麗。登山初心者でも抵抗なく使えるでしょう。
テント場からは正面に立山、剱、右手に唐松、左手に五竜を望むことができます。山荘に出ればご来光も見放題。写真家にはたまらないロケーションのテント場ですね。
五竜山荘 テント場 (2016/07/19)
「山が好き 酒が好き」Tシャツでおなじみ、五竜山荘に併設されているテント場。
立地条件は上の唐松と似ていますが、ここのテント場は小屋脇に集中しています。地面も稜線にしてはかなり平坦ですし、スタッフの方々が毎朝整備してくれているため綺麗なテント場でした。
テント場は3段になっていて、3段フルに使える時は確かに30張いけそうな広さでした。(荷揚げがある日は最下段のみ使用可になります)
ただし、ここは後立山の交通の要衝。連休などは混み合うようです。ここに至るまでのルートはどこも安全ではありませんから、焦らずにすむように余裕のあるスケジュールを組まれることをお勧めします。
唐松同様、風は吹き上げで強めです。ペグは半分刺さるかどうかなので石をうまく使ってしっかり設営してください。
冷池山荘 テント場 (2011/10/08)
冷池山荘から鹿島槍ヶ岳方向に約8分ほど登ったところにあるテント場。扇沢から登ってきた時も、五竜山荘から八峰キレットを越えてきた時も、疲れてきたところに現れる、ちょうどいい立地のテント場です。
思いっきり稜線上にあるため、強風には要注意。また、そもそも尾根自体が太くないので、ほとんどのサイトが傾いています。到着が遅れるとものすごく斜めなところに張る羽目になるかもしれませんので、斜めだと眠れない方は、早めの到着を心がけましょう。
加えて、敷地もそれほど広くありません。混雑している時は、パーティで一人一人テントを張るのは止めて、複数人でテントを共有するなど、譲り合いの精神が必要ですね。
更に、ここの最大の難点は、小屋が遠いこと。単に遠いだけでなく、道中は片側が切れ落ちた登山道を通るため、深夜の行動は少々危険ですし、高低差もあるので往復は一苦労です。
……とまあ、後半はマイナス面ばっかりになってしまいましたが、晴れていれば展望は抜群ですし、鹿島槍ヶ岳でご来光が望めるというメリットは、それらの苦労をも吹き飛ばすほどの魅力になるかもしれません。
剱沢 テント場 (2012/09/22)
剱岳を眼前に望むテント場。室堂から剱に挑む時は、初日に雷鳥沢でなくここまで進んでおくと、翌日の剱登山に余裕が出るでしょう。
敷地はご覧の通り広大。斜面に設けられたテント場ではあるものの、個々のサイトはそれなりに平らで快適です。水はけも良好で(ただし水の通り道は避けて張ること)、リスクを感じないですむテント場だと思います。
ペグは刺さったり刺さらなかったりなので、石を利用しましょう。なお、テント場の受付は剱沢小屋ではなく、テント場内にある野営管理所で行っています。
雷鳥沢 テント場 (2013/08/10)
立山を間近に望むテント場。その敷地は広大で、北アルプスを代表するテント場の一つです。
立山黒部アルペンルートの室堂ターミナルからコースタイム1時間という立地のため、徒歩圏内に施設が多く、何かと過ごしやすいテント場だと思います。ファミリーキャンプの方々も多めでした。
テント場内にこそ小屋(売店)はありませんが、雷鳥沢ヒュッテやロッジ立山連峰がすぐ近くにありますので、飲み物の調達などは困らないでしょう。また、それらの施設では日帰り入浴ができるのも、普通のテント場にはないメリットですね。
なお、ちょっと足を延ばしてみくりが池温泉まで行くと、食事のメニューが豊富なので個人的にはオススメです。あのブルーベリーソフトは美味かったな…また食べに行きたい…
テント場は十字に道が設けられている中央の広場がメインで、その周囲に10張程度のスペースが点在しています。広場は平坦ですが賑やかで、周りはやや斜めなものの静か。どちらを取るかはお好みで。
地面は土なので、ペグは笑えるほどよく刺さります。ただしその代償として、水はけは悪いです。雨の後はテントの裏が泥だらけになるため、収納用に大きなビニール袋などを用意しておくといいかと思います。
太郎平小屋(薬師峠) テント場 (2012/07/23)
折立から入山後、最初にあるテント場。次のテント場までの距離が遠いこともあって、初日はここで幕営する方が多いと思います。
なお、このテント場は太郎平小屋が管理していますが、テント場自体は薬師峠にあるので、小屋からは20分ほど木道を歩いていかなければなりません。
そのためか、テント場内に小屋の出張所があり、受付はこちらで行うこともあります(小屋で受付の場合もあるので、小屋を通ってから来る人は先に小屋で確認してみてください)。ビール等の販売もしてくれているのがありがたいですね。
テント場は広く、公称100張り。ただしご覧の通り傾斜地ですので、完全に平坦なサイトは少なそうでした。また、沢のそばなので水音がかなり大きいです。気になる人は耳栓を用意しておくといいかも。
水は水場から常時流れていますし、トイレはバイオトイレで綺麗。かなり過ごしやすいテント場だと思います。
雲ノ平 テント場 (2014/07/22)
「日本最後の秘境」と呼ばれる雲ノ平にあるテント場。一度はここにテントを張ってみたい…… そう思う方も多いのではないでしょうか。
テント場からの眺めは南西方面が開けているのみですが、小屋への分岐まで戻れば周囲の山々が一望できます。高天原や水晶岳など、普段なかなか訪れることのできない場所に近いのもメリットでしょう。
テント場は面積こそ広めですが、笠ヶ岳や涸沢と同じように、岩ゴロの敷地にポツンポツンとサイトが用意されているタイプなので、張り数は限られます。また、雨だと水の通り道になるサイトも多いので注意してください。(晴れていても地面が湿気ているサイトは要注意です)
なお、テント場と小屋の距離はとても離れています。薬師沢方面から来る時は先に小屋を通りますので、受付を済ませておくのを忘れずに。トイレや水場はテント場内に用意されています。
※水場はテント場の最上部(木道の末端よりも更に上)です。迷う方が多いため3枚目の画像に場所を書いておきましたのでご参考までに。
烏帽子小屋 テント場 (2013/07/21)
裏銀座の玄関口、烏帽子小屋の脇にあるテント場。ブナ立尾根の登りで疲れ切った身体には、このテント場はとてもありがたく感じられます。
テント場は、小屋から三ッ岳方面への登山道を2分ほど歩いた木々の中にあります。一見すると狭そうですが、上部から下部(ひょうたん池の脇)まではかなりの奥行きがあり、公称20張にしてはずいぶん広いスペースになっています。
上部は個々のサイトが細かく区切られているためプライベート感があり、下部は三ッ岳や表銀座方面の展望が広がる、開放感のあるスペースでした。
下部だとトイレ(小屋脇)までの距離がかなり遠くなるのが難点ですが、あの雰囲気は捨てがたいかも。
地面は土なので設営は容易。ペグもよく刺さりました。
なお、裏銀座は稜線なので水場はなく、水はとても貴重です。ここを起点に歩きはじめるのなら、水は下から担ぎ上げていきましょう。
大天荘 テント場 (2014/09/27)
大天井岳の二つの山小屋のうち、東側の大天荘にあるテント場。
ここの売りはなんと言ってもその大展望につきます。
北は燕岳へ続く稜線、東は安曇野の町並みが一望でき、南・西は上高地から槍ヶ岳まで遮るものなし。真西だけは大天井岳に遮られますが、その大天井岳・山頂へも10分足らずで登れます。北アに数あるテント場の中でも、その展望、開放感は随一ではないかと感じました。まだ訪れたのは一度だけですけど、できれば何度も訪問したいお気に入りのテント場です。
ただ、ほんの数張り分だけはハイマツの中にスペースがあるものの、ほとんどのスペースは遮蔽物のない完全な吹きさらしになります。風はかなり強くなりますので、設営はいつも以上にしっかりしておきましょう。
双六小屋 テント場 (2011/08/09)
北アルプスの交通の要衝である双六小屋のテント場。ここの何が素晴らしいかを一言で言うなら、水が豊富なことです。
水を小屋から購入するテント場は多いですが、購入する、ということはつまり その辺りでは水が貴重だということを意味するのであって、お金がかかること自体よりも、そういう場所で水を消費する、ということに対して気兼ねせずにはいられません。
なので下から担ぎ上げていくのですが、連泊となるとそれも大変。
ところが、このテント場は周りに雪渓が多いため、給水しても迷惑になることがありません。この場所のテント場がこういう環境なのは実にありがたいですね。
スタッフの方々の応対も感じがいいですし、軽食メニューの牛丼も旨いしで、実に居心地のいいテント場でした。ここなら、定着して周囲の山々を歩き回るのも楽しそうです。
なお、鞍部にあるため、風がかなり強く吹き抜けることがあります。地面は小石混じりの砂地なのでペグはそれなりに刺さりますが、岩で補強しておいた方が安心。
また、全体的に少し斜めな場所が多いのと、水はけはいいですが水の通り道もありそうなので、早めに到着して、いい場所を選んでおくのが無難かも。
槍ヶ岳山荘 テント場 (2015/07/29)
槍ヶ岳山荘から南に50mほど進んだところにあるテント場。北アルプスの象徴たる槍ヶ岳に至近のため、人気の高いテント場です。
しかし、その人気ゆえにここに張るのは至難の業。
30張のテント場目指して、槍沢、東鎌、西鎌、北鎌、飛騨沢、南岳…と、四方八方から人が押し寄せます。ハイシーズンともなれば午前中の早いうちに受付が締めきられるほど。どうしてもここに張りたいなら早出が必須ですね。
ただ東鎌など難路から登る方は危ないのでお気をつけて。
テント場は東の岩場に7サイトほど、それ以外は南の大喰岳側の斜面になります。(受付順で場所指定されます)
展望は南側の方が良いですが、東側のいくつかのサイトからは正面に穂先が見えて、これはこれで希有な眺めかも。
稜線なので風は強いです。特に南側のサイトは吹きさらしなので、設営は万全に。
涸沢 テント場 (2012/08/16)
言わずと知れた、北アの中でも超・有名なテント場。いつかはここでテントを張ることを夢見ている方も多いのではないでしょうか。
周囲を山に囲まれた立地でありながら、その広大さゆえに閉塞感は皆無。
風はそれほど強くは吹かない地形だと思いますし、涸沢ヒュッテ、涸沢小屋の軽食は山小屋としては屈指のレベル。
水もおいしく、刻々と表情を変える穂高連峰を見ていると時の経つのも忘れるほど…と、よほど混んでいる時でなければ、いつまでも滞在したくなる快適なテント場です。
なお、受付はテント場の真ん中にある、受付小屋で実施しています。ヒュッテや小屋ではないのでご注意を。
また、ご覧の通りテント場は岩が堆積している地形ですので、ペグは半分刺さればいい方です。 最初から岩で設営するつもりで行くのが良いと思います。
横尾 テント場 (2013/05/04)
横尾山荘の前、横尾大橋のたもとに広がるテント場。
上高地から入山して槍・穂高を目指す場合、三つ目のテント場になります。ここからいよいよ本格的登山に気持ちが切り替わるところです。
テント場はトイレ・水場の手前と、横尾大橋の下の二ヶ所ありまして、前者は土、後者は小石混じりの地面になっています。前者ならペグが使えますし、後者は石が豊富なので設営に苦労することはないでしょう。
地面も気になるほどの傾斜はなく、トイレ・水場も不便さを感じることはありません。設営数100張りとのことですが、敷地は数字よりも広く見えました。
小梨平や徳澤のテント場が、登山というよりもキャンプ場の趣があるのに比べると、ここはいかにも登山用のテント場という雰囲気なので、個人的には一番好きです。他の二つよりも混みにくいですしね。
写真はGWの時なので寒々しい印象がありますが、夏にここを通ると、木々の緑と梓川の醸し出す雰囲気がすばらしく、つい泊りたくなってしまうテント場です。
徳沢 テント場 (2016/07/21)
小梨平から梓川沿いに6.6km、登山道の横に広がる草原が徳沢のテント場です。
晴れた日などはいかにも爽やかに見え、「ここに張りたいなぁ……」と思いながら通過した方も多いことでしょう。
この先の横尾の雰囲気は"テント場"ですが、ここと小梨平は"キャンプ場"の趣。
徳沢ロッジでは外来入浴ができますし、徳澤園では17時までに申し込めば夕食も食べられます。
地面はご覧の通り草原で傾きもほとんどなく、寝心地は最高。周りは樹林なので強風に悩まされることもなく、安心して過ごせるところですね。
ちなみにテント場に石は一切ありません。ペグ打ちはどうしよう……と悩むほど。非自立型やツェルトを張る方は、ペグの用意を忘れずに。
小梨平 テント場 (2015/07/27)
北アルプス南部の玄関口・上高地にあるテント場。
河童橋から徒歩5分という近さのため、短期の登山には組み込みにくく、多くの登山者が素通りしてしまうテント場ですが、いざ泊ってみると、その過ごしやすさは山のテント場とは一線を画していました。
水場・トイレに困らないのはもちろんのこと、食料・飲料が安価で売られていますし、管理棟を初めとする周辺の施設でお風呂にも入れます。
広大なテント場のほぼ全てが木立の中なので涼しく、昼寝も可能。
梓川沿いのサイトからは正面に穂高の絶景が眺められ、暇になったら河童橋まで出向いてみたり、ちょっと足を延ばして大正池を散策したり……と、上高地の魅力を満喫できます。
もう登山しないでここで過ごそうかな……なんて思ってしまうほど、満足度の高いテント場でした。
蝶ヶ岳ヒュッテ テント場 (2016/08/14)
蝶ヶ岳山頂直下のテント場。
槍・穂高の展望台ともいわれる蝶ヶ岳ですので、展望は抜群。
東には安曇野の平野、北には表銀座、そして西には槍・穂高連峰の絶景が広がります。
山頂までサンダル履きで2分という立地のため、夕景や日の出の撮影にも便利で、なだらかな地形ですので小屋へのアクセスも容易です。小屋番さんの対応も好印象。
ただ稜線のテン場ですので、強風時は要注意。
また、下が目の細かい砂(土?)のためかペグが打ち込みやすい反面、水はけはあまりよくなさそうです。水没の体験談もあるようなので、場所はよく選んだ方がいいかも。
槍平小屋 テント場 (2011/09/24)
蒲田川沿いにあるテント場。新穂高温泉から約10kmという立地は、槍ヶ岳、南岳などへの前進基地として利用するのに最適。
谷間にあるため、稜線のテント場よりも風は弱まるでしょうし、周囲は木立に囲まれていることもあってか、標高(1,990m)の割には落ちついた雰囲気が感じられるテント場です。
夕方、のんびりしながらアーベントロートに染まる穂高を眺めていると、山にいる幸せをしみじみと感じられることでしょう。
テント場は河原ですから、ペグは刺さりにくいです。岩をうまく利用してください。
地面の石は涸沢などに比べれば大きくないですが、背中が痛いと眠れない人は、それなりに厚いマットを用意した方がいいかも。
水は使いたい放題で安心です。
わさび平小屋 テント場 (2011/08/08)
新穂高温泉から一時間強、標高1,400mのわさび平小屋脇にあるテント場。
新穂高から双六方面を目指す場合、ここから6時間先の双六小屋までテント場がないので、時間に余裕がなかったり、悪天候の時はここを利用するといいでしょう。
林の中のテント場なので見晴らしはないですが、その代わり強風に怯えなくてすみますし、日光が遮られるので標高の割には涼しいです。ステラリッジで昼寝ができたテント場はここだけ。
小屋は近いですが、隣接している訳ではないので、小屋の物音が気になることもありません。
水場は小屋の向かいの沢を使用、つまり水は使いたい放題です。また、登山口から近いこともあってか、わさび平小屋は山にしては物価が安いので、飲み物などをガンガン買っていてもあまり負担になりません。
そういう意味でも翌日からのハードな山行を前にして、一晩リラックスして過ごせる良いテント場だと思います。
笠ヶ岳山荘 テント場 (2013/08/03)
飛騨の名峰、笠ヶ岳山頂直下にあるテント場。北アルプスの中でもたどり着くのが大変なテント場の一つです。
テント場はガレ場の中に設けられています。どこにでも張れるわけではなくて、個々の整地されたサイトに張るパターンです。涸沢に似てますね。
一見広いですが、サイトの数自体は多くないので、早めの到着がお勧め。
ペグはそこそこ刺さりますし、周りは石だらけなので設営は容易です。水はけも良さそうでした。
水は雪渓の雪解け水を利用します。そのため雪渓が溶けてなくなったら終わりです。
例年だと8月下旬辺りまでは持つようですが、事前に山荘のサイトなどで確認しておくと安心ですね。
なお、トイレは山荘のトイレを利用することになるのですが、テント場から山荘までは少々離れており、かつガレ場&雪渓を登るため見た目以上に時間がかかり疲れます。この苦労は鹿島槍(冷池)以上かも……
ここにたどり着くまでに疲れ果てていると、トイレの往復は苦痛です。これがちょっとマイナスかな。
ただ、晴れていればその展望は凄まじいです。
東は乗鞍、焼岳から穂高、槍まで。北は黒部五郎、双六など黒部源流の山々が一望でき、数ある稜線のテント場の中でも屈指の眺めが広がります。
それが見られたら、どんな苦労も吹き飛ぶことでしょう。
西穂山荘 テント場 (2015/07/26)
新穂高ロープウェイ山頂駅から1時間強、西穂山荘の目の前にあるテント場。
交通機関から近いのでテン泊初心者でも安心……なんですが、ここのテント場はご覧の通り広くありません。
それでいてそのアクセスの良さで人気があるため、ハイシーズンの混雑は必至。
混んでくるとテントを詰めて張り直すこともあるようなので、逆に初心者にはちょっとハードルの高いテント場かもしれませんね。
ただ、テント場そのものは平坦でペグもそこそこ刺さり、空いている時なら快適です。
テント場からは木立の向こうに霞沢岳が見える程度の展望しかありませんけど、小屋の裏手を少し上がれば、焼岳、乗鞍岳、笠ヶ岳の大パノラマが広がります。この眺めは一見の価値ありかも。
南アルプス
七丈小屋 テント場 (2018/07/14)
長く苦しい黒戸尾根、その唯一のオアシスである七丈小屋のテント場。
スペースは広くないですが、テント場は第一、第二と二ヵ所ある上、テントを担いで黒戸尾根を登ろうとするチャレンジャーはそう多くないので、これでも一杯になることはあまりなさそうです。
小屋からは離れていて、小屋から第一テント場まで約5分、第二までは更に2分ほどかかります。トイレも水場も小屋前なので往復は一苦労ですが、立地が立地だけに仕方ないですね。
地面は砂地で平坦。石はないのでペグで設営しましょう。
北岳山荘 テント場 (2013/09/21)
日本第二の高峰・北岳から南方に1時間下ったところにあるテント場。百名山の北岳・間ノ岳に近く、展望も良いので人気のあるテント場です。
テントのスペースは北岳山荘から一段下がったところと、トイレの横がメインです。トイレの横の方が利便性は高いですが、場所によっては少し臭いが気になるかも……
地面は石混じりの土でペグはあまり刺さりませんが、岩はたくさんあります。風が強いことがあるそうなのでしっかり設営してください。
北岳には肩ノ小屋にもテント場があり、どちらに張るか悩む方も多いようですが、確かにどちらにもメリットがあり選ぶのは難しいですね。
展望はどちらも素晴らしく、富士山側の展望を重視するなら北岳山荘、西側(仙丈・甲斐駒)も見たいなら肩ノ小屋。
ラーメンなど軽食を食べられるのは肩ノ小屋、軽食はないけどテント泊でも小屋の夕食・朝食が食べられるのは北岳山荘。
トイレがきれいなのは北岳山荘、広河原から近いのは肩ノ小屋、といったところでしょうか。
長衛小屋(北沢駒仙小屋) テント場 (2011/09/10)
甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳登山へのベースキャンプとなるテント場。
沢沿いに整地されたテント場は平坦で、公称100張りまで可能という広さです。実際、この時はざっと75張りほどありましたが、スペース的にはまだまだ余裕でした。
標高2,000mにあるテント場ながら、北沢峠バス停から10分というアクセスの良さに加え、林の中なので風は適度に遮られ、それでいて沢沿いなので涼しく、水は豊富で美味しいし、新造のトイレは綺麗、清涼飲料水も安い(¥200)と、極めて快適に過ごせるテント場だと思います。
強いてケチをつけるとするなら、沢沿いなので寝ている時に水音が気になるかも。夜中に何度か「豪雨だ!」と思って起きました(^-^;
ペグは刺さらないことが多いですが、大きめの岩は豊富に転がっていました。
なお、木の下にもサイトがあり、日差しが強い時はそちらに張ると快適でしょう。ただ、私が見た時は、木の下にあるテントにだけ虫が大量にたかっていましたので、虫嫌いの人は要注意。(日なたに張ったテントにはほとんど虫は来ませんでした)