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登山とマラソン、ときどきゲーム

双六岳・笠ヶ岳 (北ア南部周遊7日間) 2日目

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2015年の夏に北アルプス南部を7日間かけて歩きました。

その2日目の記録です。

 

★ 2日目 7/27(月) 【 西穂山荘 → 上高地 → 小梨平 】

2日目は、快晴の空の下で夜明けを迎えました。
おっと! こりゃダラダラ寝てる場合じゃないな! と、カメラを片手にテントを飛び出します。

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しかし、丸山への稜線に登ってから気づきましたが、ここだと朝日は前穂の向こう側。
ご来光は見られないんですね。

年末年始にここに泊って初日の出を…… なんて計画もあったんですが、太陽が前穂を越えた時点で、もうご来光というよりはただの朝日になってしまいます。
ちょっと考え直した方がいいかも。

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ただ、振り返ってみれば南側の展望は相変わらず素晴らしいです。
眼下に上高地を見下ろす中、まず乗鞍に日が当たり……

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次いで焼岳が染まっていきます。

うんうん、気持ちのいい夜明けでした(^-^)
満足してテント場へ戻ります。

 

上高地への下りは意外と……

皆さん今日は長丁場なのでしょう、テント場に戻るともう大半のテントが撤収されていました。

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遅まきながら、6:06、私も西穂山荘を後にします。

 

今日の目的地は上高地・小梨平。
コースタイムは約2時間40分、登りすらなくただ降りるだけです。
体力的にはまだ本調子という感じでもないですが、いくらなんでもこれなら朝飯前のはず。

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……なんて先入観があったためでしょうか、この下りは思ったよりも苦戦しました(;・∀・)

 

誤解を招かないように書いておくと、道そのものは険しいわけじゃないですよ。
危なかったり難しいところはなく、ただ淡々と降りていくだけです。

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でもね~、そうは言っても800mの下りがそう簡単に終わるわけはないんですよね。
おなじみ小池新道で例えれば、弓折乗越から秩父沢まで降りるのとほぼ同じ。
決して楽ではありませんでした。

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道はよく整備されているんですけど、それなりに急傾斜で疲れます。
何名か登りの方々とすれ違いましたが、皆さん辛そうでした。

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そんなこんなで、8:11に西穂高岳登山口にたどり着いた時は汗びっしょり、足取りもおぼつかなくなっていました。

 

……大丈夫ですかね この人?(;・∀・)
こんな体力でどうやって縦走を成し遂げる気なんでしょうか…

 

朝の遊歩道をひとり占め

しかしその門をくぐれば、そこはまさに別世界。

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田代橋から左手を見ると、早くもこんな光景が目に飛び込んできます。
これだ!これこそが夏だ!と内心に歓声をあげずにはいられないほど、それは清々しい眺めでした。

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そして、更に気分を高揚させるのが、周りに人がいないこと。

梓川沿いの何とも気持ちの良い遊歩道、週末ともなれば人で溢れるのでしょうが、今は月曜の朝8時。
ものの見事に誰もいません。

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あの"上高地"の遊歩道を独り占めなんて、そうそうできることではありません。
この非日常感は最高ですね! 月曜休み万歳(笑)

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ルンルン気分で河童橋を通過し、小梨平キャンプ場に着いたのは8:58でした。

 

上高地で過ごす贅沢

ここで早速テントの申し込みをして、設営作業に入ります。

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今日の登山(?)はこれでおしまい。

 

昨日の新穂高温泉から、明日向かう槍沢(ババ平)までは、健脚なら1日でも歩けてしまうルート。
普通の登山者でも、今日このまま槍沢に向かうことは決して無理のあるプランではありません。

ですのでヤマノボラーの皆さんからすれば、この計画はもったいないというか、もっと進めばもっと多くのピークに登れるのに……と思われるかもしれません。

 

でもね……

毎年登山でここを通るたびに、思うことがあったのですよ。
自分は確かに上高地を通ったことは何度もあります。でも大正池は見たことがないですし、ウェストン碑がどこにあるのかも知りません。
それで「上高地に行ったことがある」と言えるのか、と。

 

栃木から上高地は遠いので、ここに来られる機会はなかなかありません。
それなのに、いざこの地に来て自分がやっていることと言えば、バスターミナルから明神までの梓川左岸をただ駆け抜けていくことだけ。
これはあまりにももったいない話です。

そこで今年はあえて一日使って、上高地を"観光"してみようと思ったのでした。

 

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ということで、まずは上高地アルペンホテルで汗を流しまして……

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小梨平のテント場を観察してみたり、

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大正池まで歩いてみたり。

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もちろん、帰路ではウェストン碑にも立ち寄りました。
時間はたっぷりありますから、心残りのないように、じっくりと上高地散策を楽しみました。

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夕方はテント場に戻り、梓川のほとりで本を読んだり、物思いにふけってみたり。

 

こうしていると、やっぱり今の自分に必要なのはこういう時間だったんだな……と思います。
今日は登山に関しては何かを成し遂げたわけではありません。ただ降りてきただけです。

 

でも、毎日毎日何かをしなくちゃいけないわけじゃないんですよね。
ただここでこうしているだけで、日頃のつまらないストレスが解消されて、心底リラックスすることができました。
山に登らずに、ただ小梨平にキャンプに来るだけなんて旅もありかな、なんて思ったりも。

 

さて、明日はババ平に向かいます。
今夜から明日朝にかけては雨の予報ですけど、ハードな山道ではないので心配はないでしょう。
初めて訪れる場所。どんなところなのか楽しみです。