2017年10月15日。
今年も秋のフルマラソンはこの大町から始まります。
去年は30km関門でバスに乗る羽目になりましたが、果たして今年は……?
大町に参加するのはこれで三回目。
前回、前々回は絶好の秋晴れだったのに記録を書くのをさぼり、そして今回は雨の予報です。でもこの大会は本当にいい大会だと思いますから、ここで一度紹介しておきましょう。
今年は宿を取りそこねたので当日(?)に現地入り。姨捨SAで車中泊して、会場の大町市運動公園に着いたのは5時半でした。
会場はまだ真っ暗で、交通整理も始まっていませんでした。さすがにちょっと早すぎましたかね。
大町の駐車場は先着順で、近い方から埋まっていくスタイルです。例年は6時過ぎに来ていて、今回と同じように最も近い駐車場に停められていますが、ここは7時過ぎ、この横のグラウンドや河川敷の駐車場も8時前には埋まりますから、早めの到着がおすすめ。
ちなみに何台か車中泊してたのかな?という車がありました。トイレや自販機がありますから困らないかもしれませんが、安曇野方面に少し行ったところにある道の駅(安曇野松川)の方が何かといいのでは、と思います。
7時過ぎ。空模様はかなり怪しげですね……
とりあえず受付してきましょう。
体育館前でゼッケンを受け取り、あとはスタートまで車で待ちます。
この大会、道中のトイレが少ないので、事前に済ませておくと安心です。時間帯によっては駐車場寄りの仮設トイレは混むので、スタート地点に近い方が意外と穴場だったり。
登山の記事を書いたりデレステをやっていたりしているうちに、スタートの8時50分が近づいてきました。グラウンドに向かいましょう。
この時点ではかろうじてまだ雨は降っていませんでしたが、いつ降ってもおかしくない雰囲気。ですのでAsicsのポンチョもウェストバッグに入れておきます。ちなみに気温自体は寒くなくて、この時点で12℃。えっ、寒いじゃん、と思われるかもしれませんが、過去の大会は6時の時点で-1℃だったりしたので、今日はむしろ温かい方です。
そう、寒くなかったのです、この時は……
小細工はなしで行こう
号砲とともに、ランナーが一斉に飛び出していきます。自分は例によって最後尾からスタート。
さて、お恥ずかしながら私はまだフルマラソンで完走できたことがありません。(いつも完歩になります。練習してないから当然と言えば当然なのですが)
なので今日こそは完走を……と思いまして、どのようなペース配分にするか考えました。そして結論から言うと、キロ6分30秒で行けるところまで行くことに。
これまでの大会では、例えばキロ7分30秒で走ってみたりなど、ペースをいろいろ変えてみました。その結果分かったことは、自分の場合はキロ何分で走っても、スタミナは必ず4時間前後で切れるということです。
つまり、ゆっくり走ってもその分長く走れるわけではないので、単にゴールするのが遅くなるだけです。なので、無理がない範囲でできるだけ早く行こうと。それが今の脚力では6分30秒なのでした。
スタートするとコースはまず南に向かい、8km過ぎで折り返しになります。
会場からここまでは100m近くの下り坂なので、ここまでは楽勝ですね。本番はここからで、21.3kmまでは217mほど登っていくことになります。
とはいえ、例年はこんな感じで
左手に広がる北アルプスの大展望を横目に走れる爽快な道なので、苦しくも楽しい区間だったりします。
今年は展望がないのが残念。しかもここで予報通り雨が降ってきました。これがちょっと無視できない強さでしたので、ポンチョを着用。
ただ、うかつにも帽子を忘れて眼鏡に雨が直撃するので前が見えないことを除けば、雨自体は特に支障になるものではありませんでした。
リンゴがおいしい!
16kmのエイドでちょっと休憩。
雨で液晶が見えなかったのでピントが逆になっていますが、エイドでりんごをいただきます。
このリンゴがね~!ジューシーで本当においしいのですよ。疲れていて食欲がなくてもこれだけは食べられるというか。もう大町はこれが楽しみで参加しているといっても過言ではないくらいです。
エイドにある食べ物はパンとりんごと、たまに雷鳥の里。必要十分ですね。自分は初めてのフルがこの大町だったので、フルのエイドはどの大会でも食べ物があるんだと早合点して、その後のかすみがうらでシャリバテした悲しい経験がありますが、その意味でもこの大町を最初の大会に選ぶのは悪くないと思います。
ハーフを過ぎた先にコースの最高地点(862m)となる源汲橋があり、そこを過ぎると27.8kmの木崎湖の折り返しまでは急な下り坂に。
12時ちょっと前に折り返しを通過。前々回はこの折り返しで歩きになり、前回は木崎湖に着く前に歩いていましたから、今回はこれまででベストです。
疲れもそれほど感じませんし、雨も止んで、よし、今回は行ける!そう思いました。
地獄の登り
でもね、そうは問屋が卸さないのですよ。
さきほど源汲橋から木崎湖までは急な下りと書きましたが、折り返したらその下りは今度は登りになるわけです。
この4kmほど続く登りは大会の正念場と言ってよく、ここまでの疲労も相まって、体力・精神力が試されるところ。例年、ここから歩いている人がぐっと増える区間です。
木崎湖で折り返したときはまだ余裕があったので、私はここも最初は走っていました。しかしやはり走って登るのはきつく、そして時計を見るとちょっとのんびりしてもサブ5くらいなら達成できそうです。これまでのベストが5時間45分ですから、サブ5ならもう大満足。というわけで、32km地点からは少しだけなら歩いてもいいかな、と思いました。
これが大失敗でした。
なんとか登り切って源汲橋に着き、さて走るぞ!と一歩踏み出したその瞬間
両足のふくらはぎが攣りました ( T∀T)
あ~あ~、長い間歩きすぎたか……なんかずっと歩いてると、変な風に筋肉が固まっちゃうんですよね。登りできつくても、ずっと走っていた方がまだましだったのではないかと思います。
そして歩いているうちに4時間が過ぎ、計画通り?体力もなくなりました。なので以後は二度と走れることはなく、ただただ多くのランナーに追い抜かれていくだけ……
しかもここにきてまた雨が降り出しました。朝、12℃で温かいとか抜かしていましたが、昼になっても12℃のままという予想外の展開の中、冷たい雨に打たれて歩いていると、熱生産が追いつかないので寒いなんてもんじゃありません。ポンチョがなかったらやばかったかも。
会場までも徒歩で入って、最後の直線だけ何とか走ってゴール。
タイムは5時間18分で、サブ5はまた次回に持ち越しになったのでした……
大会を振り返って
ということで、自己ベストこそ更新できたものの気分的には惨敗した今回の大会。でも自分の成績はともかく、全体としてはとても好きな大会であることに変わりはありません。
大町は人口密集地ではないので、沿道に応援の人が溢れて……なんてことはないです。それでも、ここに来るといつも感じるのは歓迎しようという地元の方々の熱意。人数こそ多くなくても、とても親身に感じる応援、今日は寒いからと急遽用意されたエイドでの熱いお茶、ゴール後に振舞われる冷奴も、今年は湯豆腐にされたそうです。
まさに中規模大会の良さが凝縮された大会という印象で、スタートからゴールまでストレスなし。リピーターが多いのも納得です。
今年は天気だけが残念でしたけど、晴れていれば赤く色づき始めた木々の中、素晴らしい景色を眺めながら走れるこの大町アルプスマラソン。参加してみれば、なぜ大会100選に選ばれているか、きっと分かると思いますよ。