2018年6月3日。
例年なら忍野に向かう6月第一週、今年は新しい経験が欲しかったので別の地へ。
今回向かったのは長野県・安曇野。登山者の憧れの地であり、私も何度も訪問している場所ですが、マラソンで訪れるのは初めてです。
北アを眺めながらの爽快なラン、果たして結果は…
※前置きが長いので、本編だけをご覧になる方は目次の「シャトルバスで会場入り」をクリックして飛んでください。
初夏のマラソンシーズンはこれで四連戦目で、ここ三週は全て遠征。今回は日曜日開催ですからできれば現地で前泊して観光したいところですが、さすがに疲労が溜まっていたので無理をせず、土曜の夕方に栃木を出発しました。
道中では佐久平PAの「みはらしの湯」に立ち寄り。
ホント、ここに温泉ができたことは、自分にとってはもう革命的な出来事です。これまでは例えば栃木から向かう時に車中泊してしまうと翌朝は風呂に入る機会がなかったり、現地で遊んだ後に汗だくのままうかつに高速に乗ってしまうともう家に直行するしかなかったのですが、この施設のおかげでそれらの心配は全く無用になりました。
土曜日は姨捨SAで車中泊し、日曜は早起きして長峰山へ。
ここは安曇野と北アルプスが一望できるところです。道はやや狭隘ですが、時間が早いので対向車に会うこともなく、スムーズに駐車場にたどり着けました。
黄砂なのかPM2.5なのか、ちょっと霞んでいるのが残念ですけど、確かに眺めは素晴らしかったです。秋の空気が澄んでいるときに来たら最高でしょうね。撮りたかった写真は撮れたので満足。
シャトルバスで会場入り
さてさて、それでは会場に向かいましょうか。
この大会、スタート/ゴールとなる豊科南部総合公園に直接車で乗り付けることはできません。事前に通知された駐車場に停め、そこからシャトルバスで会場入りになります。
私の割り当てはセイコーエプソン豊科事業所の駐車場で、6:25頃に到着しました。
ハーフのスタートは9時で、事前受付ですからそんなに急ぐ必要はないんですが、ここからの最終バスは7:30、会場での荷物預かりの〆切は8:15と、全体的にスケジュールはタイトです。とっとと会場入りして向こうでのんびりすることにしましょう。
行きのシャトルバスは特に渋滞することもなく、7:15頃に会場に到着。
着いて驚いたのは会場の広さ。会場の見取り図を見ないとどこに何があるのか分からない、というのは久々かも。参加人数は5,000名を越えますが、パーソナルスペースは十分確保できました。
給水コーナーがちゃんとあるのも嬉しいですね。これって普通のようで意外とそうでもなく、レース前に喉が渇いたな……と思って困ることもしばしばありますから、助かります。
荷物を預けたらスタートまで公園の木陰で待機。
ここで気になるのが今日の天候。標高が550mを越えていることもあって風は涼しく、木陰にいるとむしろ寒いくらいなのですが、日向に出ると今度は暑い、というよりも日差しが痛いのです。なんだこれは……もう初夏どころか真夏の太陽と言いたくなるほどの日差し。涼しいうちに走り切らないと厳しいレースになりそうだなぁと、ちょっと危機感を覚えたのでした。
さて、スタート時間が近づいてきました。並びに行きましょう。
なお余談ですが、スタート13分前のトイレ待ち列はこんな感じ。会場に仮設トイレは多数あるものの、参加人数も多いので比で見るとちょっと足りておらず、慢性的に列が続いているようでした。時間には余裕を持って行動した方が良さそうですね。
スタート地点は大混雑。
暑くなるので最初の給水ポイントから積極的に給水するように、とのアナウンスが繰り返されています。やはり暑さ対策が今回のキーポイントになりそうですね。
序盤は密集
9時、号砲と共にレースがスタートしました。
私はA~FまであるブロックのうちEブロックからのスタートでしたから、スタートライン通過は5分後。5,000人規模の大会ともなると時間がかかりますね。
スタートからはまず右折・左折を繰り返しながら西方向に向かっていきます。正面に北アルプスの大パノラマが広がる素晴らしい眺め。
今見えている主だった山の名前はこんな感じです。山に興味がない方でも、一番大きく見える常念岳だけはぜひ覚えてあげてください。威風堂々たるピラミダルな山容はまさに安曇野の魂。
さて、ご覧の通り序盤は密集度が高いです。写真を撮るときは一旦コース外に避けるのですが、避けた後にコースに復帰するのに苦労するくらい。
この混雑はしばらく続きますので、詰まっているときは隙をみてどんどん抜いていかないと、自分のペースで走るのはなかなか難しいです。
3.5km過ぎで大糸線の陸橋を通過。
この大会、全体的にコースは平坦です。坂っぽい坂はここと、9~10kmのゆるやかな上りくらい。これまでに走ってきたハーフの中では一番楽なコースになりますね。たとえばあのまっ平らにしか見えない埼玉・鴻巣パンジーマラソンの高低差は
こうですが、こちらの信州安曇野ハーフマラソンは
こうです。なのでうまく走れればタイムを狙える大会なのは間違いありません。
余談ですが、最も厳しかった嬬恋高原キャベツマラソンは
こうでした。もはや別競技(^-^;
コースは市街地と田園地帯を交互に通っていきます。5kmの給水を過ぎ、これは7km地点。
なお、写真には写っていませんが、この大会、驚くほどに沿道の応援が多いです。もちろん絶対数で言ったら都市型大規模マラソンにはかないませんが、地方の大会でこんなに応援が多いのは初めて。人口比で見たら参加率はとんでもなく高いのではないでしょうか。ユニークな応援も多く、町をあげての一大イベントという感じで印象はとても良かったです。
暑さとの闘い
9kmのゆるやかな上りを過ぎると、コースは拾ヶ堰(じっかせぎ)沿いに。
1kmほど走って11.5kmの折り返し点で対岸に渡り、また1km戻ってくることになります。向こう側を走っているのはすでに折り返したランナーですね。
ここが一番見晴らしがいいポイントでしょうか。後方集団にいることもあり、立ち止まって左手に見える北アルプスを撮影するランナーも多く見受けられました。
この辺りでようやく隊列もばらけてきて自分のペースで走れるようになってきました。
しかし同時に暑さも増してきました。ここまでの給水は意識してすべて取るようにしてきているのですが、飲んだそばから汗になってしまっている感じがします。やっぱりこの暑さはやばいかも……
もちろん運営側も手をこまねいているわけではなく、中盤以降の給水所にはスポンジや水掛場が用意されていまして、そのおかげで何とか走ってはいけました。
ペースを上げるのは危険な暑さでしたから、もう今日は完走できればいいや、ということで超ゆっくりの6'30/kmペースで進みます。これでも一方的に抜いていくだけなので、周りも暑さには相当参っているようです。
なお、それでも17km辺りではもうかなり厳しくなっていたのですが、ここで地元の商工会議所の方々がチューペットを配ってくれていまして、これが本当に本当に救いになりました。本来はこうして身体の中から冷やすのはあまり良くないのかもしれませんけど、こっちはもうまさにこの瞬間に熱中症で倒れるかどうかというような状況ですから、そんなことは気にしていられません。これでだいぶ生き返りました。もしこれが1本500円で売っていたとしても買うだろうなと思うくらいありがたかったです(笑)
ラスト2km。これまでのハーフでこれほど長いと思ったことはない2km。
なまじ見晴らしがいいだけ先が見通せてしまって、あそこまで走れるのか……無理じゃないか、歩いた方がいいのでは……なんて思いながらも、さすがに疲れてもいないのにここで歩くのは嫌だなと、ギリギリ暑さをごまかせるペースまで落として……
2時間20分オーバーで何とかゴール。
しんどかった…… 疲れてはいないんですが、とにかく早く日差しから逃れないと、という気持ちで一杯でした。
ゴール後はおにぎりをはじめスープやおしるこなど大盤振る舞い。最後までサービス精神旺盛な大会ですね。でも胃腸が完全に死んでた私は固形物は受け付けず、スープを飲むのが精一杯……(おにぎりは後でいただきました)
会場には飲食ブースも多かったので三か所で売っていたかき氷をはしごして、しばらく木陰で涼んでから、最終近くのシャトルバスで駐車場に戻りました。
大会を振り返って
後半は暑さばかりがクローズアップされた感想になってしまっていて、なんか辛そうだな……という印象を受けるかもしれませんが、大会全体としてはとても良い大会、というのが正直な感想です。
第四回と歴史が浅いのにも関わらず運営に不備は見当たりませんでしたし、応援は多く、コースも平坦で、何より景色の良さは他を圧倒。これで涼しければもう最高の大会という印象になったことと思います。自信をもってお勧めできる大会の一つになりました。
(なお安曇野の名誉のために書いておくと、この日は全国的に季節外れの暑さだったのであって、安曇野が暑いのではないです。ほかの大会のレポでも悲鳴が飛び交っていました)
気を付けることがあるとすれば、全体的にタイムスケジュールが前倒し気味なので行動は常に余裕を持った方がいいことと、雨の時は会場で雨をしのぐ手段がないため(これは他の大規模大会でも同じですが)、何か個人で対策を講じておく必要があることくらいでしょうか。
この時期は個人的に遠征が多く、毎週毎週遠征だとさすがに疲れるということが分かったので(^-^; 来年どうするかはまだ決めかねていますが、もし機会があればぜひまた参加してみたいと思います。
帰りは見晴らしの良い露天風呂が自慢のファインビュー室山へ。
安曇野にはまだまだ訪問したことのない温泉がたくさんありますから、次回は前泊して湯めぐりでもしてみたいものです。