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登山とマラソン、ときどきゲーム

第1回 南房総100km・75kmみちくさウルトラマラソン

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2017年9月30日。

自身二度目のウルトラマラソンの舞台になったのがこちら、今回初開催の南房総100km・75kmみちくさウルトラマラソン。
勝浦市から南房総市・野島崎灯台を目指す、厳しくも爽快な大会でした。

※今回はリタイアしています。いつもはリタイアの記録は書きませんが、今回は初開催なのでご紹介と、自戒を込めて。

 

寝られない……

そう…… 失敗の遠因はまず前日の過ごし方にありました。
この大会は土曜日の早朝5時にスタートで、会場は千葉県の南端・勝浦。
かたや当方はというと栃木のしかも県北民なわけで、睡眠時間を考えると金曜の明るいうちに現地入りしたいところです。

ところが木曜の仕事が終わらずに午前様になり、有休なはずの金曜も朝は出社したりしていた結果、現地に着いたのはもう8時近くになった頃。 

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今回は前泊の宿が取れていないので、ここ「道の駅 たけゆらの里おおたき」で仮眠して、夜の12時に会場となる勝浦ホテル三日月の駐車場に移動 → 3時半まで仮眠して受付、出走、という流れです。

しかし着いてすぐに寝られるはずもなく、やっと寝付いたと思ったら目覚ましで起こされて三日月まで移動 → 現地でも寝られずにやっと寝付いたと思ったら(ry と、ほとんど寝られないまま受付へ。

お~い、前日も2時間睡眠なんだよ~ 死んじゃうよ~! と、出だしからいきなりつまずきました。 

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立体駐車場の4Fには誰も来ず、本当にここは会場なのか…… と不安をぬぐいきれませんでしたが、ロビーに降りてみるとそこはランナーで一杯でした。

受付をしておみやげをもらった後、ゴールに送る荷物を預ければ準備はおしまい。
空がほんの少し明るくなってきた5時、75kmの道のりへと踏み出しました。

 

景色は最高

この大会は基本的には交通整理はせず、ランナーは信号遵守で歩道を走ります。
ですのでスタート直後は混雑で走れず、みんなでぞろぞろと歩いていきました。
まあ、長い道のりですし、のんびり行きましょう。

ゴールの野島崎灯台ははるか西ですが、スタートしたらまず一旦東→南へと進んで八幡岬公園に向かいます。

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登り坂が多くてペースは上がらず、なんでこんなコース取りなんだとかブツブツ言っているランナーもいましたが、 公園の展望台から東を見れば……

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素晴らしい! 運営がちょうど日の出を狙ったんだとしたらお見事です。

 

最初のエイドである八幡岬公園のエイドはスルーして先へ。

※みちくさマラニック走援隊のエイドは充実していることで有名。
今回は初回なのでみちくさ隊にしてはやや小規模でしたが、それでも充分だったと思います。
エイドの内容は他の方々が書いていますので、ここでは省略しますね。

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6kmほど走って三日月に戻ってきました。ここまでは順調。

 

いろいろ足りない

なんか変だな、と思い始めたのは10kmを過ぎたころ。

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まだ10kmなのに、妙に身体が重い気がします。

 

何でだろう……と考えながら走って、ふと思いついたことがありました。

そうか、飯食ってなかった

昨日は移動時間の都合で夕食は16時。その後はとにかく寝よう寝ようとしていて、それだけで頭がいっぱいで、食事のことが抜け落ちていました。

八幡岬のエイドをスルーしたのを後悔するも後の祭りです。

とにかく糖分だけでも……と自販機を探しますが、ゴミ箱を併設している自販機って意外と少ないんですよね。さんざん探してようやく見つけた自販機には運良くマックスコーヒーがあり、一気飲みしたところ

マックスコーヒーが苦く感じました。

これはひどい。あんな砂糖の塊みたいな飲み物が苦いなんて。どんだけ糖分足りてないんだか……

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さて、これで気分は多少回復したものの、体力的には焼け石に水です。

コースは海沿いが多く、海なし県の栃木人としては気分爽快、といいたいところなのですが、とにかく脚が重くてまともに走れません。

コンビニでココアとチョコモナカジャンボでも買って食べたい、という誘惑と闘いながら進んでいきます。今にして思えば、道中でコンビニに寄るのもウルトラマラソンの醍醐味?なわけで、別に寄っても何も問題ないのですが、何となく躊躇してしまいました。これも失敗。

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なお、今回は第一回大会で、しかも道中が長いので沿道の皆さん全員がこの大会を知っているわけもなく、応援はまばらでした。

でもそんな中だからこそ応援のありがたさを感じましたし、また「何やってるの?」「どこから来たの?」「どこまで行くの?」なんてコミュニケーションが生まれるのも、これはこれで楽しいものです。

野島崎灯台まで行きます、と言ったら、「あんなところまで行くのか!?」と言われて、その方の指さす方、水平線のかなたに霞む灯台を見た時は自分もびびりましたがw

あんなところまでは行けない気がする……

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さて、とにかく体力は回復しません。

挙げ句の果てに、24kmで早くも両足のふくらはぎが攣りました。

今日は早いな!いつもは35km辺りまでは持つんですが、とにかくエネルギーが足りてない感で一杯です。

 

25.4kmの天津神明宮のエイドで卵掛けご飯をいただいたり、アミノ酸粉末や芍薬甘草湯を飲んだりしたものの、運動中なので上手く消化ができている感じがしません。

フルマラソンの時も思いますが、運動中の胃腸の活動が鈍っている状態でも、消化が適切に行われる体質にしないと、このような長時間の運動は厳しいんでしょうね。

自分はまだ慣れていないというか、エイドで食べたものが胃から下に進んでいっているように思えないんです。ただ胃に入っただけというか。

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ですので、もうこの先はただただ歩いていきました。

30km手前の、清澄寺に向かう長い登り坂ではもはやグロッキー。前日までの寝不足がたたっているのか低血糖なのかとにかく眠くて意識がもうろうとしていました。本気で道端で寝ようかと思いましたが、コースから見えるところで寝ていると倒れているのかと思われますよね。かと言って脇道に入って休むところを探す気力もなく、そして……

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13時半、ゴールである野島崎灯台に到着しました。

車で。

 

……すみません、31.8kmのばしゃやのエイドでリタイアを宣言しました。

この大会は41.5kmの浜茶屋太海にのみリタイア者用のバスが用意されていて、それ以外の場所でリタイアしたい場合は自力でゴールにたどり着いてください、というシステムです。

(荷物がゴールに送られていますし、チップとかタスキを返却するために、とにかくゴールには行く必要があります)

果たして75km完走できるのか自信がなかった私は、事前にどこでリタイアしたら簡単にゴールにたどり着けるか検討していまして、 バスだと苦労しそうなので、外房線付近のエイドでのリタイアが妥当だな、といくつか候補をリストアップしていました。

その一つがこのばしゃや。ここなら安房天津駅まで200mくらいですから余裕なのです。

ここで一旦車を取りに勝浦の三日月まで戻り、そこから養老渓谷のごりやくの湯に寄った後、ランナーのコース沿いに走って野島崎灯台まで。

清澄寺からゴールまではランナーの列が途切れることなく続いていました。辛そうな場面も垣間見えましたが、それでも大半のランナーが諦めることなくゴールを目指していて、みんな凄いよな、と素直に尊敬。

 

野島崎灯台では75km部門の速いランナーは既にゴールしていたこともあり、自分はまだランナーっぽい格好をしていたので、スタッフや沿道の皆さんから「お疲れさまでした!」の声をかけていただきました。そのたびに、いえ、リタイアなんです、というのはいささか気まずいものでしたw

くそ、次はゴールしてやる……

 

大会を振り返って

南房総で初の本格的なウルトラマラソンとなった今回の大会。

とにかく特筆すべきはコースで、大半の区間で海を見ながら走れるこの爽快感は格別でした。75kmの部はみちくさ隊の大会としては屈指の平坦さだそうで、ウルトラマラソン初挑戦の舞台としてもお勧めできそうです。(とはいえ、GPSによれば31.8km時点での累積上昇高度は1,221mでしたから、ちょっとした登山よりもきついのですが)

帰りのバスの接続が良くないとか、エイドがみちくさ隊の大会にしては小振りだとか、いくつか問題点も指摘されていますが、ここは次回以降改善されていくものと思います。また、土曜日開催なので翌日は疲れを癒しつつのんびりできるというのもメリットでしょう。

栃木県北から南房総は遠すぎるので気楽に毎年参加というわけにもいかないのですが、たぶんまたいつかあそこに走りに行きたいと思うんだろうな……そんな印象の、良い大会でした。

運営・ボランティアの方々、ありがとうございました。